人類が異生物と戦うアニメ、沢山あります。ぱっと思いつくだけでも「BEAT」「ガウナ」「フェストゥム」etcetc敵対的な異生物には事欠かないアニメ界隈です。
『ひそねとまそたん』はドラゴンっぽい異生物と戦わないで何とか折り合いをつける系アニメとして注目されています。
そこで今回、異生物と戦わない系アニメに注目したいと思います。
円盤皇女ワるきゅーレ
地球で宇宙人が受け入れられてから数年後。代々続く銭湯を受け継いだ「時野和人」(CV鈴村健一)が清掃中にUFOの墜落事後に遭遇します。
その事故で落ちてきたのは皇女の「ワルキューレ」(CV緒方恵美)、事後で瀕死の「時野和人」を救うため力と魂を分け与え一時的に幼児化してしまう健全な日常コメディでございます。
2002年に放送された本作品ですが、人外押しかけラブコメの走りになった作品でもあり。今視聴すると古い。というよりは懐かしい、むしろ歴史の息遣いを感じる作品ではないでしょうか?勿論良い意味で。
ハーレムモノ最高の主人公
この作品の推しどころと言えばハレームの王であり主人公の「時野和人」が兎に角カッコいい。
屈指の名シーンでもある物語の最後で数々のヒロインの力を借り、不本意な結婚を待つ「ワルキューレ」の元へ駆けつける「時野和人」ですが、「ワルキューレ」の待つ部屋への扉を開ける前の一言。
「勘違いしないでくれ、僕はお姫様にさよならを言いに来たんだ」
ハーレムアニメでこんなセリフが聞けるなんて思っても見なかった、そして挿入歌として流れ出す『agape』がまた素晴らしい。
死ぬ前に一度ぐらいこんなセリフ言ってみたいですけどね。
這いよれ! ニャル子さん
ギャグアニメの定番作品でもありますが、「ナイアーラトテップ」や「?アザトース」等で有名なクトゥルフ神話系ヒロインたちとの交流アニメでもある『這いよれ! ニャル子さん』。
日本でクトゥルフ神話と言えばTRPGで名前を見る程度のマイナーストーリーでしたが、これ以降アニメや漫画などで良く顔を見るようになりましたね。
一応言っておきますがクトゥルフ神話大系はギャグではありません、むしろ人の無力さやホラーが魅力の作品です。
一説によると『這いよれ! ニャル子さん』以降元々人気があったTRPG界隈でもギャグに振り切れたテーブルが爆発的に増えたとか、そこはちょっと残念ですね。
メタ要素・パロディ要素満載
クトゥルフ神話大系に留まらずあらゆるジャンル・作品のオマージュやパロディが満載です。
好きな人には溜まりませんが、作者いわく「元ネタありき」の作品だと言ってしまうほどその色が濃くなっています。
アニメや映画、特撮の作品が好きで良く見ている人なら「あのシーンやんけこれ!」とあまりのまんまさに笑ってしまうこと間違い無し。
狼と香辛料
中世の世知辛い行商人事情を描いた商業アニメ。
何が良いのかって、中世特有のギルドを中心にした商売と価値の定まらない数多くの金貨や銀貨。それをここまで作品としてきっちり描いた作品を私は他に知りません。
今でこそ、100円玉は汚れていても何年に作られたものでも100円として利用できますがこの時代は発行した国や発行した月日によって金属の含有率に大きな幅がありました。それで無くても権威有る大国が発行した通貨の方が信憑性は高いわけでありまして。同じ銀貨の一枚でも価値が浮き沈みしていました。
店を持たずに地域を行き来できる行商人の強みは情報を得るスピードです。勿論電話なんて無く全て手紙や人が伝えていましたから、商品のだぶ付きを知らせる手紙より早く到着し売り切ってしまえば損は無く、そういった行商人ならでは強みというか楽しさを教えてくれるアニメです。
あくまで商売
主人公の行商人「ロレンス」(CV福山潤)と旅路を共にする「ホロ」(CV小清水亜美)ですが、実は豊穣を司る巨大な狼。普段は人間の姿に化けています。
ですが「ロレンス」も「ホロ」もその狼の力に頼る事無く、あくまで行商人とその付き添いとして物事に対処しているのが本当に偉い。
この作品の魅力でもあり、一番大事な根幹の部分でもあると思います。
まとめ
最近は異生物と聞くとすぐ全面戦争へとつながりますが、こういったコミュニケーションも大事ですよね。
お互いの言い分がぶつかって、話し合いではどうにもならないと分かった上での戦争と。取りあえず戦争すっか!では同じ戦争でも重みがまるで違います。